『精神異常』
ステージ上の俺には、きっとそんな言葉がピッタリ当てはまるだろう。
自分がそこでなにをしているのか、なにを考えているのか。
ステージを降りた後では、まるでそれが他人のことのように
全くといっていいほど、記憶されていない。
ギターを抱え、音楽の中にいたことは事実。
でも、今、パソコンに向かっている俺とは、
たぶん別の世界にいるのだろう。
ステージ上には、Peacemakerの世界が存在する。
目の前には、Peacemakerの音楽に耳を傾けてくれている人がいる。
それが知り合いであっても、初対面の人であっても、
目に映る人は、すべてPeacemakerの音楽を聞いてくれている人。
そんな空間。
Peacemakerの世界。Peacemakerが作った世界。
そこに入り込むと、ボーカル・ギター・ベース・ドラム、
テンポ、リズム、テクニック、音階、
そんなことを考える隙間がないくらい、
その世界の中で生きる。
瞬間で泣きそうになったり、物凄い優しくなったり、
悲しくなったり、愛おしくなったり。
時間軸がまったくわからなくなる。
ギターを弾いているのではなく、その曲の世界が持つ感情を
まるで代弁するかのように、叩きつける。
無意識の中で。
ステージを降りても、しばらくはその世界から抜け出せない。
だからライブが終わった後の俺は、少し変だ。
現実の世界が理解できてなかったり。
自分でもビックリするくらい。
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